ADENIUM PREMIUM CLUB(アデニウムプレミアムクラブ)|長谷工不動産

Vol.50
有機EL技術の進歩で、
更に広がる家電の可能性

内山 圭介

某大手家電メーカーの営業職だった経験から、パソコンやスマートフォンなどのデジタル家電から洗濯機や冷蔵庫などの白物家電まで、幅広い家電の知識を持つ。現在は独立し家電アドバイザーとして活動。雑誌への寄稿や、新居に合った家電購入アドバイスなどを行っている。

最近「有機EL」という言葉を耳にする機会が増えてきました。家電量販店のテレビ売り場などでも液晶テレビと並んで、有機ELテレビが多く販売されています。有機ELとは何なのか。そして有機ELの技術が進歩することによって、家電はどのように変わっていくのでしょうか。

液晶よりも薄くて軽い特徴を持つ有機EL

有機ELは「有機エレクトロルミネッセンス」の略で、電気を流すと光る性質を持つ有機材料を使って発光させる技術です。自ら発光するため、バックライトで照らす液晶より薄くて軽く、折り曲げられるなどの特徴があります。

また、動きの応答速度と黒色の表現力が優れている点やどんな角度から見ても映像の見た目がほとんど変わらないのも有機ELの利点です。

かつては生産効率の悪さによる高コストや寿命の短さなどが課題でしたが、近年は生産技術や品質の向上によって改善され、様々な用途で使用されるようになりました。

設置場所を選ばない有機ELの進化により、表現の幅がアップ

スマートフォンは、かつては液晶画面が主流でしたが、現在は有機ELを採用する機種が増加しています。2017年に発売された「iPhone X」では、iPhoneシリーズではじめて有機ELディスプレイが採用されたほか、ソニーの「Xperia」、サムスンの「Galaxy」などでも有機ELディスプレイが採用されています。ディスプレイが薄いため本体のサイズを小さくできるほか、湾曲するディスプレイにより機体の側面まで画面になっている機種なども誕生しています。

2019年2月20日(米国時間)にはサムスンが、画面を折り曲げてたたむことができる「折りたたみスマホ」を、アメリカで4月に発売を開始すると発表しました。日本での発売は未定ですが、これを機に、有機EL製品の開発競争が活発になる可能性があります。

また、街で見かけるデジタルサイネージ(映像広告)は、現在は建物の壁や四角い柱など、設置場所が平面である場所に限られていましたが、軽くて折り曲げられる有機ELであれば、丸い柱に巻き付けたり、天井から吊り下げることができたりと、設置場所の幅が広がるでしょう。実際に韓国の仁川国際空港の天井には、有機ELの湾曲パネルを使ったデジタルサイネージが設置されており、日本でもDNP(大日本印刷)がLGエレクトロニクス・ジャパンと協力して、有機ELのデジタルサイネージの普及を進めています。

有機ELの技術がさらに進歩すれば、もしかしたら将来的に、クルクルと小さく丸めて持ち運べるパソコンや、予想もしていなかった新たな家電が誕生するかもしれません。また、GoogleとLGがVR(バーチャルリアリティ)やAR(拡張現実)用の有機ELディスプレイ開発を進めるなど、リアルと仮想の壁がなくなるような世界が誕生するかもしれません。

2019年2月掲載
※掲載の写真は全てImage photoです。

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