ADENIUM PREMIUM CLUB(アデニウムプレミアムクラブ)|長谷工不動産

Vol.6
一般家庭の家計簿に
プロがアドバイス!
賢いマンション購入術

ファイナンシャルプランナー(CFP®認定者)
かとう りり

保険会社、銀行勤務を経てファイナンシャルプランナーに。
20代から60代まで幅広い年代のマネーやライフプランの相談に対応。
日本FP協会での相談業務や金融教育授業のほか、各種ウェブサイト、雑誌掲載多数。
大学院で健康増進や医療保険を研究し、雑穀エキスパートの資格も保有する「健康マニア」。
みずからは健康度をアップしながら節約にもなる生活術を実践中。

マンションを買う時に必要なこと

マンションを購入する際には、住宅ローンを組むのが一般的ですが、いざ買うとなると、知らないこともたくさん。実際にはどれくらい借りられるの? 毎月どれくらい支払うの? そんなときに大きなヒントになるのが、家計簿です。毎月の家計簿を分析することで、ご自身にあったマイホームが選びやすくなります。ファイナンシャルプランナー(以下FP)が、実際の相談例をあげてご紹介しましょう。

新築マンションの購入を検討しているAさん家族の収支

Aさんは、都内に住む35歳の会社員。33歳の奥様(専業主婦)と、2歳のお嬢様がいらっしゃいます。現在は家賃13万円の賃貸マンションにお住まいですが、新築マンションの購入を検討しています。ご希望の物件は4,500万円とのこと。現在の年収は680万円で、生活にも比較的ゆとりがありますが、住宅を買ったら家計はどうなるの? と、FPに相談しました。

こちらが現在のAさんの家計簿です。

ファミリーのマンション購入では、無理のない住宅ローン返済計画がとても大切です。住居費とともに、お子様の教育費も確保する必要があるからです。FPはまず、無理のないローンの返済額を検討しました。

住宅ローンの借入額を決める目安のひとつが、「年間の返済額を年収の20~25%以内におさめる」ことです。年収680万円のAさんなら、136万円~170万円が目安になります。ボーナス返済を利用しない場合、毎月の住宅ローン返済に充てられる金額は11.3万円~14.1万円ほどということになります。これは、あるネット銀行の住宅ローン(金利:0.65%(変動金利)、8疾病保障保険付き)を35年返済(ボーナス返済なし)で利用すると、およそ4,200万円~4,900万円を借りられる水準です。

住宅ローンの借入額を決めるときには、ご家庭のライフプランも大切です。Aさんには2歳のお嬢様がいらっしゃいます。お子様が小さいうちは学費など大きな教育費はかかりませんが、小学校、中学校へと進学するにつれて、学費や習い事、塾代などの支出が大きくなっていきます。ですから、住宅ローンの返済額は、10年後、20年後も家計を圧迫しないように考慮しておきましょう。そのために有効なのが、購入時の自己資金です。Aさんはマイホーム購入のために計画的に貯蓄をされてきたため、住宅のために550万円の自己資金をお持ちでした。

マンションの購入時には、住宅ローン以外にもさまざまな費用がかかります。Aさんの場合、ローンの事務手数料や登記料などの諸費用として200万円ほど、引越し代、新しい家具や家電製品を購入する費用として100万円ほどはかかります。そこで、自己資金550万円を、次のように充てることにしました。

頭金250万円 + 諸費用200万円 + 引越しその他の費用100万円=550万円

すると、住宅ローンの借入額は、

4,500万円-頭金250万円=4,250万円になります。先ほどのネット銀行の住宅ローン(金利:0.65%(変動金利)、8疾病保障保険付き)を35年返済(ボーナス返済なし)で利用すると、毎月の返済額は11.3万円ほどになります。

住宅ローンの借入額を決めるときに、もうひとつ考慮しておきたいポイントが、管理費や修繕積立金などの経費です。Aさんがご希望の物件では、月々2万円ほどかかります。また、毎年、固定資産税の支払いも発生します。首都圏で70㎡程度の分譲マンションなら、年間10~15万円はかかります。これらの諸経費を合計すると、毎月3万円程度は必ずかかることになります。住宅ローンとあわせると、住居費は毎月14万円ほどになります。

さて、ここまでみると、住居費は今までの家賃13万円から14万円になるため、若干家計の負担になってしまいます。そこで重要なのが、FPによる家計の見直しです。

まず、最大のポイントが「住宅ローン減税」です。住宅ローン減税とは、一定の基準を満たすマイホームを、住宅ローンを利用して購入すると、10年間にわたって、所得税・住民税から一定の額が還付される制度です。還付される額は、年末時点での住宅ローン残高の1%で、10年間で最大400万円です。Aさんの場合、10年間で約320万円の還付が受けられ、おおよその月平均は2.6万円(320万円÷120カ月)になります。マンション購入により住居費が1万円増えましたが、住宅ローン減税による還付金額を考えると、購入前よりも安くなる計算になります。

※住宅ローン減税による還付金額は、個々の条件や年収の変動、住宅ローンの諸条件などにより異なる場合があります。制度に関する詳しい内容は税務署などの公的機関にお問い合わせください。

ただし、住宅ローン減税が適用されるのは当初10年間。また、10年後には住宅ローンの金利が上昇している可能性もあります。仮に金利が1%上昇すると、毎月の返済額は12.8万円になります。ですから、金利上昇に備え貯蓄を増やしておきましょう。
貯蓄を増やすために見直したのが、通信費とレジャー費、そして保険料です。見直した後の家計簿が、次の通りです。
(※がついている項目が見直した部分、( )内は増減額です。)

通信費は、ご夫婦で別々だった携帯電話会社を統合して5,000円カット。レジャー費は、これまで奥様がママ友のお付き合いで家族ぐるみでお出かけしていたために費用がかさみがちだったのですが、マンションを購入したら、Aさんのご自宅にお友達を招いてホームパーティをするなどして、お出かけの費用をカットできるようにしました。

最も大幅にカットできたのは保険料。これまで、ご主人の生命保険や医療保険に毎月3.5万円かかっていたものを、1.5万円にカットしたのです。それを可能にしたのは、住宅ローンにセットされている団体信用生命保険(団信)です。住宅ローンの名義人であるAさんが万が一お亡くなりになった場合には、住宅ローンの残額は全額団信から返済されるというものです。見直し前の生命保険の保障額には、Aさんにもしものことがあった場合に、残された家族が暮らすための家賃が考慮されていましたが、その分は団信によってカバーされますので、生命保険の保障額をカットできるのです。また、Aさんが利用した団信には、ガンや糖尿病などを含む8種類の病気で就業ができなくなったときにも、月々の返済が不要になる「8疾病保障」もついていました。これを利用して、医療保険もカットできました。住宅ローンを上手に選ぶと、必要な保障をしっかり確保しながら、毎月支払う保険料を安くすることができるのです。

賢いマンション購入のために

このように家計簿を見直した結果、貯蓄額を3万円から2倍の6万円に増やすことができました。これなら、将来に金利が上昇したり、教育費が増えたりしても安心ですね。このように、家計簿を分析しながら、上手に住宅ローンを活用することで、安心してご希望のマンションを購入することができますよ。

2014年6月掲載
※掲載の写真は全てImage photoです。

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