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Vol.20
マイナス金利のいま、
マンションは「買い時」なのか?

フリーランス&ライター
井村 幸治 いむら こうじ

フリーランスエディター&ライター。1964年、和歌山県生まれ。リクルート(現リクルート・ホールディングス)にて不動産、ブライダル領域の編集に長年にわたって携わる。その後フリーランスとして住宅、都市開発、メディカル、ブライダルなど様々な分野で取材執筆活動を行う。東京⇒名古屋⇒大阪の転居を2回ずつ経験したことで、各都市の住宅事情にも精通。日本各地への取材、旅行経験も豊富。現在は大阪府吹田市「千里ニュータウン」在住。

2016年2月から日銀が導入した「マイナス金利」政策の影響を受け、住宅ローン金利の低下が続いています。マンション購入にはどの様な影響が出ているのか、今後はどうなるのかを考えてみましょう。

<1>マイナス金利が住宅ローン金利に与える影響は?

固定型住宅ローンフラット35が史上最低金利を更新中

日銀は2016年2月から「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」を導入しました。これは、3年前から実施されてきた大規模な「量的・質的金融緩和」政策に追加導入されたものです。銀行が持つ日銀当座預金の一部に0.1%のマイナス金利を適用する施策で、デフレ脱出・景気回復を目指した「異次元緩和」とも呼ばれるもの。2%の物価安定目標を達成するために「できることは何でもやる」という日銀の強い意志表示ともいえるでしょう。

この政策は、直接的に個人の預金金利をマイナスにするものではありませんが、生活への影響は小さくはありません。2月以降は、多くの銀行の普通預金金利が0.001%と極限までゼロに近づき、長期金利もマイナス金利に突入、株式市場の変動幅が大きくなっています。資金運用が難しくなった証券会社のMMF(マネー・マネージメント・ファンド)は販売停止となるなど、資産運用面では大きな影響が出始めています。

一方で、住宅ローン金利も急激に低下し、固定型住宅ローン「フラット35」の最優遇金利は2016年4月に前月比で0.06%下がり1.19%と史上最低を更新しました。住宅ローンを利用してマンション購入を検討しているすべての人にとって、金利低下は朗報であることは確かです。まず、住宅ローン金利の動向を確認しておきましょう。

住宅ローン金利の推移

変動型は「短期プライムレート」、固定型は「長期金利」と連動

住宅ローン金利には大きく分けて「固定型」、「変動型」、「固定期間選択型」の3タイプがありますが、金利決定の仕組みには違いがあります。「変動型」の住宅ローン金利は「短期プライムレート」(企業向け貸出金利)と連動するものがほとんどです。「短期プライムレート」は日銀の金融政策をベースにして、各金融機関が決定する金利です。一方、「固定型」の住宅ローン金利は「長期金利」(10年国債利回り)と連動しています。「長期金利」は景気変動、物価変動、為替変動、海外市場動向など様々な要因をもとに債券市場の需給バランスで決定されていきます。

●変動型 ⇒ 短期プライムレート(企業向け貸出金利)に連動
●固定型 ⇒ 長期金利(10年国債利回り)に連動

中間的な商品である「固定期間選択型」は、金融機関によっても金利の違いがあり、金融機関によっては当初3年間固定型の金利が変動型よりも低くなった商品も登場しています。

変動型、固定型ともに過去最低水準まで金利が低下

「変動型」の住宅ローン金利は「短期プライムレート」の低下に連動して、メガバンク各行の最優遇金利が過去最低水準の0.625%となっています。また、あるネット銀行では最優遇の変動型金利を0.499%にするなど、金融機関によっては非常に低い水準まで低下しています。

固定金利型では代表的な商品である「フラット35」の最優遇金利が、2016年3月に前月比で0.23%下がり、1.25%となりました。さらに、4月には0.06%下がり1.19%と史上最低を更新しました。「長期金利」が、2月9日には史上初めてマイナスを記録、その後も低水準で推移し3月下旬にはマイナス0.1%を記録するなど、「長期金利」の低下が続いていることから「フラット35」の金利も大きく低下したのです。

一方、固定期間選択型の金利は、メガバンク3行の10年固定型の最優遇金利が2016年3月から0.80%に引き下げられました。ただ、4月からは三菱東京UFJ銀行が0.1%引き上げて0.90%、みずほ銀行は0.05%引き上げて0.85%になっています。金融機関にとって、これ以上低下させることが厳しい水準まで、金利が低下しているのかもしれません。

このように、現在は史上まれにみる「住宅ローン低金利時代」であることは間違いありません。金利負担が減ることは、マンション購入検討者にとっては大きなチャンスの時だと言えます。ただ、気になるのは今後の金利動向です。

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