ADENIUM PREMIUM CLUB(アデニウムプレミアムクラブ)|長谷工不動産

Vol.35
ビッグイベントの「レガシー」は、
生活にどんな影響を与える?

フリーランス&ライター
井村 幸治 いむら こうじ

フリーランスエディター&ライター。1964年、和歌山県生まれ。リクルート(現リクルート・ホールディングス)にて不動産、ブライダル領域の編集に長年にわたって携わる。その後フリーランスとして住宅、都市開発、メディカル、ブライダルなど様々な分野で取材執筆活動を行う。東京⇒名古屋⇒大阪の転居を2回ずつ経験したことで、各都市の住宅事情にも精通。日本各地への取材、旅行経験も豊富。現在は大阪府吹田市「千里ニュータウン」在住。

東京ではオリンピック、大阪では万博と、それぞれ2度目の巨大イベント開催が決定しました。前回の東京オリンピックや大阪万博では、新しい施設や交通インフラなどが整備され、現在の街づくりや暮らしにも影響を与えている「レガシー」が残されています。2度目のオリンピック&万博は、再び「レガシー」を残してくれるのでしょうか?

建設中の選手村

<1>1964年の東京オリンピックが残した「レガシー」

今も残る1964年のオリンピック競技施設

「2020東京オリンピック・パラリンピック」開幕まで1年あまりとなり、競技施設をはじめとする建設工事が各地で進んでいます。今回のオリンピックでは「レガシー」という言葉を聞くことが多いかと思います。「遺産」、「先人の遺物」とも訳される「レガシー」。「レガシー」とは何をさすのでしょうか?

まず、前回の1964年の東京オリンピックを振り返ってみましょう。1964年の東京オリンピックは、10月10日に「国立競技場」で行われた開会式から幕を開けました。20競技163種目に、93の国と地域から5,152人が参加して熱戦を繰り広げ、アジア初のオリンピックは大成功に終わりました。戦後の焼け野原から復興・復活した日本の姿を世界の人々に知ってもらう素晴らしい機会となり、高度成長をさらに加速させる一躍を担いました。

この時にオリンピック会場として建設・整備されたのが「国立競技場」、「代々木体育館」、「日本武道館」、「東京体育館」などの施設です。ご存知のように、「国立競技場」は建て替えが急ピッチで進んでいますが、「日本武道館」のように現役の施設として活躍しているものも多く残っています。これらは建築物としても素晴らしい評価を受けて、丁寧にメンテナンスが行われています。これらはまさに「レガシー」といえるでしょう。

代々木公園につくられたオリンピック選手村

競技施設だけではなく、首都高速道路や東海道新幹線といった社会インフラもオリンピックの開催に間に合わせるために整備が進められたものです。

また、「オリンピック選手村」は現在の「代々木公園」に作られました。もともとは旧日本陸軍の練兵場があった場所で、戦後はアメリカ軍に接収されて軍人とその家族が暮らす街「ワシントンハイツ」として利用されていました。広大な敷地には学校や教会、劇場なども設けられ、ひとつの街のような機能を持っていたそうです。「ワシントンハイツ」を宿泊施設に転用し、4階建ての集合住宅を追加建設するかたちで東京オリンピックの選手村は作られました。

オリンピック後にほとんどの施設は取り払われ、緑が生い茂る「代々木公園」として再生されています。一部は「国立オリンピック記念青少年総合センター」として改修・再利用されており、研修や宿泊施設として一般の利用もできるようになっています。都市の中心部に残された大規模な公園そのものが「レガシー」と呼べるものでしょう。

ユニットバスが誕生したのはホテル建設の工期短縮のため

ユニットバスが誕生したのも「東京オリンピック」がきっかけでした。海外からの観客を迎え入れるために大型ホテルが続々と登場しましたが、そのひとつが回転展望ラウンジを持つ「ホテル・ニューオータニ」でした。客室数1,000室を超える巨大ホテルを約1年4ヶ月の工期で完成させるために考案されたのがユニットバスです。工場で大量生産されたユニットは建設現場に次々と搬入され、開会式の約1ヶ月前に無事竣工しました。

この記事の閲覧は会員限定です。会員登録すると続きをお読みいただけます。

ADENIUM PREMIUM CLUBは、
マイホーム情報やライフスタイル情報をお届けする、長谷工不動産が運営する無料会員サービスです。