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Vol.33
シェアリングエコノミーが
マンション生活に与える影響とは?

フリーランス&ライター
井村 幸治 いむら こうじ

フリーランスエディター&ライター。1964年、和歌山県生まれ。リクルート(現リクルート・ホールディングス)にて不動産、ブライダル領域の編集に長年にわたって携わる。その後フリーランスとして住宅、都市開発、メディカル、ブライダルなど様々な分野で取材執筆活動を行う。東京⇒名古屋⇒大阪の転居を2回ずつ経験したことで、各都市の住宅事情にも精通。日本各地への取材、旅行経験も豊富。現在は大阪府吹田市「千里ニュータウン」在住。

シェアリングエコノミーが急激に拡大しています。マンションライフに与える影響を考えてみましょう。

<1>「シェア」が進むと、駐車場が不要になる?

シェアリングエコノミーとは?

シェアリングエコノミーとは、インターネット上のプラットフォームを利用して、個人同士によって、モノやスペース、サービスなどが共有される経済活動のことです。代表的なものが民泊サービスの「Airbnb(エアビーアンドビー)」、ウーバー・テクノロジーズのライドシェアサービス、カーシェアリングサービスなどです。

自分だけでモノを所有したり、サービスを受けるのではなく、余剰となった部分を必要とする人に提供して対価を得る仕組みですが、インターネットとスマホの普及によって即時性と簡易性が高まったこと、さらにクレジットカードや電子マネーを使った決済システムが進化したことで、シェアリングエコノミーは急激に拡大しています。

マンション駐車場の設置率は既に大幅に減少

シェアリングエコノミーの拡大をもっとも実感できるのはカーシェアリングサービスの普及ではないでしょうか。街中でよく見かけるのが「TimesCarPLUS(タイムズカープラス)」や「careco(カレコ)」の看板。コインパーキングの一角にカーシェア用の車が用意されている場所も増えています。昼間のビジネス利用、休日のレジャーなど幅広い目的に利用されています。

また、個人間でマイカーをシェアする「Anyca(エニカ)」や「CaFoRe(カフォレ)」などのサービスも登場しています。レンタカーでは珍しい高級輸入車が利用できたり、ファミリーカーがリーズナブルに利用できたりと、一度利用するとリピーターになるケースも多いようです。

休日に買い物やレジャーに出かける程度であれば、車は所有するものから必要な時だけ利用するものへと、大きく価値観が変化しつつあります。

首都圏マンション 駐車場設置率の推移

車を所有する人が減少することで影響を受けるのは駐車場です。不動産経済研究所の調べによると、駐車場の設置率がピークだったのは2007年の77.3%で、2017年(1-6月)には42.2%まで低下しています。都市部を中心に車を必要としないライフスタイルが一般的になったことに加えて、2013年以降はマンション価格の上昇傾向が続き、車の取得・維持費を住宅ローンに振り向けるケースが増えたことも一因となっています。さらに、若者を中心とした「クルマ離れ」もあり、こうしたトレンドに加えて、カーシェアリングが普及していけば、マンションの駐車場は一段と必要性が少なくなる可能性があります。

マンション駐車場の空き問題対策、立体を平面に

マンションの駐車場利用料を修繕積立金に充当している場合、空きスペースが増えると予定通りの積立金が得られずに修繕計画が狂うことも考えられます。また、機械式駐車場は空きの状態であっても維持・管理コストがかかります。

マンションの駐車場は「全戸分駐車場完備、設置率100%」など、設置率の高さがセールスポイントになる時期もありました。しかし、時代は変化しました。これから分譲される新築マンションであれば、設置率よりも稼働率の高さを緻密に計算した計画が重要になってきそうです。

一方で、既存のマンションで駐車場の空きが増えた場合、その対処法もいろいろな動きが出始めています。たとえば、管理コストが発生し続ける機械式の立体駐車場を廃止して平面式に改造するケース。駐車台数が減って収入は減るものの、機械式の維持コストや耐用年数を超えた際の更新費用を含めてトータルで考えると、平面化したほうがメリットが大きいという判断です。

カーシェアリング以外にも駐車場のシェアリングが台頭!?

駐車場に空きが発生した場合にはそのスペースを外部に貸し出す、つまり「シェアする」という手法も考えられます。すでに、自宅やオフィスの駐車場が空いている時間、コインパーキングのようにシェアする「Akippa(アキッパ)」というシェアリングサービスも登場しています。

ただ、マンションの駐車場は個人所有ではなく共有部なので、管理規約上「駐車場の外部への貸し出しを可能」と改定する必要があります。また、事故やトラブルへの対応、セキュリティの問題など不安を抱く居住者もいるはずなので、その対策も必要です。

こうした課題を解決する手法に「サブリース」があります。大手の駐車場運用会社では、マンション駐車場の空きスペースを一括して借り上げて、外部に転貸するサブリース事業を始めています。居住者の不安をなくすために、転貸する相手の任意保険の加入を条件とする、監視カメラを増設するといった対策も取られているようです。

シェアリングエコノミーの波をうまく乗り越えて行くためには、外部貸し出しも前向きに検討すべき選択肢になりそうです。

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